OS9とOSXの「安定動作」
OS9ユーザーのよくいう言葉に、
「OSXは安定しているというが、OS9だって安定している」というのがある。
実は、これは「安定動作のコツを知っている」と言うべきものであることが多い。
OS9を使い込んでいく内に、段々「どういう事をするとフリーズし易いか」を学習していく。
例えば、同時に2つ以上の重い処理をさせたり、乱暴にデスクトップをいじくりまわしたり。
そしてやがて、そういった危ない動作を無意識の内に回避するようになるのだ。
そしてOS9は「安定動作」するようになる。だがこれはOSの不安定さを運用でカバーしているのであって、
OS自体の「安定度」とは別な話だ。
OSXの場合、こういう「コツ」は必要ない。同時に重い処理をさせても、
アプリが落ちたとしてもOS自体がフリーズすることはまずない。
やがてOSXに慣れると、OS9での「コツ」を忘れて普通に平行処理させるようになる。
そして、しばらく振りにOS9を立ち上げてみた時、OSXでの感覚で動かしてみて愕然とするのだ。
OS9が実に簡単にフリーズすることに。
「こんなにフリーズしたっけ?」
思い出してみて、自分がかつては慎重に動作させていた事を思い出すのである。
これは私の個人的体験で、他の人には当てはまらないかも知れない。
「OS9は本当に安定しているぞ」という人もいると思う。
この時点で私はOSXに99%移行していて、OS9の「使い方」を忘れていた。
OS9とOSXを同時進行で使っていて、OS9の使い方を覚えている人は多分大丈夫だろう。
ただ、個人的な実感としては、やっぱりOSXの安定度はOS9のそれとは全くの別次元である。
むしろ、「dog year」と呼ばれ、1年が普通の世界の7年分と言われるコンピューター業界で
20年近く前に作られたMacOSが、つい最近まで現役だったことの方が驚異なのだ。
(厳密に言えばUNIX系はもっと前からだが、個人用コンピューターOSとして)
それ程長く使われてきた事自体、元々の素性がよかったからで、その事を賞賛すべきだろう。
ただ建て増し建て増しで時代に合わせてきたが、やっぱり無理が出て来ている。
OSXという代替品が現れ、それがここまで使える物に育った今、
特に事情がないならOSXに移ることを考えてもいいのではないだろうか。
(多分、「OS9から移行できない」という人の半分以上は、
未だにOSX未対応のソフトを使っていたり、過去の資産との互換性など、
仕事上での問題が大きいと思う。特にDTP関係)
それと、Macのヘビーユーザーであった人ほど、初期OSX(10.0~10.1)に挑戦し、
余りの動作の遅さに「OSX使えない」という印象が刷り込まれ、
そのままOS9党になったままの場合がある。
10.2以降のOSXは全くの別物と言っていい程変わっているので、
今一度現在のOSXを使ってみてから判断される事をお勧めする。
現在、MacOSXは、ヴァージョンが上がる毎に機能が増えるのに動作速度が上がる不思議なOSである。
まあこれは、初期ヴァージョンはそれだけ未完成だったという証拠だ。
この事でアンチOSXを作り出してしまったのは、
まだ試作品段階であったOSXを完成品として売り出してしまったAppleに責任があるだろう。
「OSXはOS9の様に気軽にシステムをいじれない。こんなのはMacじゃない」
という人もいる。
OSXの「systemフォルダ」は基本的にユーザーがいじることを禁止していて、
ユーザーがいじるのはユーザーディレクトリ以下ということになっている。
これが気にくわない、というOS9ヘビーユーザーもいるそうだ。
OS9は、システムフォルダに機能拡張アイコンを入れるだけで拡張出来た。
そういったカスタマイズしやすさこそがMacの神髄である、
「いじれないフォルダがあるなんて許せない」ということらしい。
やはりOSX初期に、systemフォルダを無理矢理いじりまくって、起動出来なくなって怒った人がいたと聞く。
これはOSとしてのポリシー、作りの違いであって、
結局「MacOSとMacOSXは別物である」という当たり前の結論にしか辿り着かないだろう。
そう、結局別物なのだ。だから「OSXはMacOSじゃない」というのは全くの正論。
その上で、どちらを使うかはユーザーが決めればいい。
私は便利で安定しているし仕事でなく個人用途なのでMacOSXを使います。簡単にWindowsとLan組めるし。
ちなみにフリーズしまくった私のOS9は、殆ど機能拡張も入れていないほぼプレーンなシステムであった。