テレ東時代劇アワー「暁に斬る!」放映

現在、テレビ東京昼の時代劇アワーでは、「暁に斬る!」を放映している。
時代劇アワー:暁に斬る!
数年前にも同枠でやっていたが、再びの放映ということは好評だったのだろうか。


この作品で特筆すべきことは2つ。
まずオープニングのかっこよさである。
暗闇に刀を構える北大路欣也。光る刀のアップをカメラが追っていく。
刀に主要登場人物が写っていく。名取裕子セントルイス、清水善三、五月みどり等。
やがて先端で交差するもう1本の刀。
カメラはその刀を追っていく。
そして刀を構えていたもう1人の主要人物、山城新伍に辿り着く。
この映像が実に素晴らしい。
音楽も素晴らしく、70年代後期の16ビートファンクにストリングスが絡む。
担当は伊部晴美。私はギタリストとしてたまたま知っていたが、
(昔、実家にこの人が有名な映画音楽をギターで弾いたイージーリスニングアルバムがあって、
私はよく聴いていた記憶がある)
調べてみると、色々映像音楽も手がけている。
伊部晴美 のプロフィール - allcinema

刑事ドラマ「非情のライセンス」のエンディングをいつも哀しく飾った
あの天知茂「昭和ブルース」のギターも弾いていたとは驚いた。


もう一つは、山城新伍の殺陣を楽しめること。
軽妙な喋りが災いしてか、一般的にはバラエティタレントとして、
もしくは「不良番長」シリーズなどでのコメディリリーフの印象が強いが、
本人がよく自虐的にギャグにしているように、
元々は「白馬童子」で人気が出た時代劇スターだったのだ。
ここでは、勿論コメディ演技もある(主に五月みどりと)が、
番組終盤のチャンバラシーンでは、さすが元時代劇スター、毎回見事な殺陣を披露してくれる。
これは貴重だ。
そして最終回での衝撃的シーン。CM明けの彼の表情。
是非見て欲しい。


その他、北大路欣也がまだ30代でギラギラしていたり、
かつて「週刊欽曜日」を見ていた人間には懐かしい清水善三がレギュラーだったり、
当初北大路を疑って色々探る若林豪の怪しさ(後に同志になる)、
当時('82年)夜10時からの放送らしく、ちょっとしたエロシーンが多かったり、
その為か、サブタイトルにきわどいものが多かったり(なんせ初回から「燃えろ!好色寺」)と、
見所は色々ある。
当時制作現場で働いていた方の貴重な証言
番組のトーン自体がずっと暗いのが難点かも知れないが、
とにかくあのオープニングだけでも見る価値はある。
一度お試し下さい。