テレビ東京、日本シリーズ第2、7戦中継決定

テレビ東京、10月23日(日)18:00〜、日本シリーズ第2戦 放送決定
今シーズンのパ・リーグプレーオフ
大熱戦の末、ロッテが勝ち、日本シリーズ進出を決めた。


個人的には、シーズン結果を軽んずるような現在の形でのプレーオフは止めて欲しい。
(2年連続シーズン1位にも関わらず、プレーオフで敗退した王監督の心境は察するに余りある)
ゲーム差による制限があるとは言え、6チームある内の3チーム、
つまり半分が進出できるというのは、どう考えてもフェアではない。
メジャーのプレーオフは、各地区毎の1位チーム、及び2位の最高勝率チームが進出出来るというもの。
つまりほぼ1位チーム同士の対戦。
球団数が多いから出来ることではあるが、これなら納得できる。


ただ、短期決戦の緊張感は確かにシーズン中にはないものであり、好ゲームが多かった。
そう考えると、プレーオフ自体は捨てがたい。
昔のパリーグがやっていたような、前期後期の1位チームのプレーオフの方がいい。
「前期優勝チームが後期「死んだフリ」をしてプレーオフに備える」可能性がある、など、
欠点もあるが、今の制度よりはマシだと思う。


今回のプレーオフのテレビ中継で、一躍名を挙げたのがテレビ東京だ。
プレーオフ第2S 「テレビ東京、ありがとう」−−首都圏で初の生放送


昨今、巨人戦の視聴率低下が問題になっている。それに伴って、
巨人戦の総本山、日本テレビですら、野球中継を躊躇うようになり、
以前だったら必ず中継されていたような試合でも、地上波では中継されなくなった。
その影響だろう。これほどの熱戦が続いたにもかかわらず、
今回のプレーオフも第1~3戦は地上波での全国中継はなかった。
パ優勝決定戦:首都圏テレビ中継なし 各局に抗議相次ぐ


今まで、プロ野球のテレビ中継と言えば巨人戦だった。
地元球団の中継(例・サンテレビ阪神戦中継)はあったものの、
全国中継されるのは巨人戦に限られていた。
プロ野球のコンテンツが、巨人戦しか提供されていない状況だった。


しかし、その方が不自然だったのだ。
毎日セ・パ6試合が行われているのに、常に巨人戦だけという方がおかしい。
確かに全国的な人気球団だが、現在の巨人の状況では、試合内容的にも視聴率が低下しても仕方がない。


実は、かつての巨人戦の視聴率には、巨人(及び対戦チーム)ファン以外の上乗せがあったのではないか。
テレビとラジオが主たるメディアだった時代、中継がない試合の途中経過を知るために、
「他に選択肢がないので仕方なく」巨人戦を見ていた、という人は多かったはずだ。
つまりかつての巨人戦中継は、「プロ野球全体の経過報告」という意味合いで、
巨人ファン以外の多くのプロ野球ファンも見ていたのだ。
その時代ならば「巨人戦の視聴率=プロ野球の人気のバロメーター」という図式が成り立っていたと言えるだろう。


しかし現在、例えばネット経由ならリアルタイムで経過を知ることが出来るし、
CSやケーブルテレビに加入すれば、贔屓チームの試合中継そのものすら見ることが出来る。
かつては仕方なく巨人戦を見ていた人も、そちらに移行する可能性は高い。
「贔屓チーム以外の試合を見てでも試合経過を知りたい」程の野球ファンであればあるほど、
有料であってもCS加入して見る方を選択するだろう。
他球団の熱心なファンほど、CSに流出しているのだ。
だから、巨人戦視聴率が下がったからと言って、
プロ野球ファンが激減したわけではなく、
各チーム毎のコンテンツに分散しただけなのだ。
そう考えれば、むしろ喜ばしい状況の筈である。


勿論、以前に比べれば、サッカーなど他のスポーツの台頭が著しく、
相対的に野球の地位が下がったとも言えなくもない。
だが、様々なスポーツが楽しめるようになったのだから、
むしろ健全な状態になったとも言える。
野球だけがもてはやされた時代は終わったのだ。


今となっては、巨人戦の視聴率は、
あくまでも、巨人単体の人気のバロメーターに過ぎない。
巨人は確かに危機的状況だが、今までの独占状態が異常だっただけだ。
FAで無駄に4番バッターばかり乱獲したのがバランスを崩したのは、巨人のフロント以外皆が判っていることである。
(多分ナベツネ氏は、「野球好き」ではなく「ホームラン好き」なのだろう)
実際、生え抜きを育成して、しっかりした野球をやっていた80年代の巨人は、
強かったし試合も面白かった。
現在のような、4番バッターを9人並べるようなオーダーを組み、
川相のような小技の利く選手を厄介者扱いするチームが、どだい勝てるはずがない。


プレーオフ第4、5戦はテレビ東京系で中継された。
テレビ東京と言えば、予算がない分他の局にない独自路線を行くので有名。
2年前の日本シリーズ(阪神ダイエー)で、
「第7戦までもつれたらテレ東中継」となり、
「まさか第7戦までいかないだろう」という大方の予想を裏切り、見事にもつれて中継実現。
「テレ東で日本シリーズ中継が!」と世間を震撼させた(29年振りだったそうだ)。
http://sawadaspecial.com/mt/archives/000434.html
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冒頭のリンクの通り、テレ東でのプレーオフ中継を感謝する声が上がること自体、
「面白い試合なら巨人戦でなくてもいい」証拠だ。
「巨人」という現在額面倒れになっているコンテンツよりも、
プレーオフ」という中身の濃いコンテンツ自体を、プロ野球ファンは求めていたのだ。
パ・プレーオフ視聴率、瞬間最高27.5%
テレ東ニンマリ…ロッテV28.5%瞬間最高視聴率
ロッテV視聴率関東で17%、テレ東に感謝
>テレビ東京は「巨人の成績は悪かったが、
>プロ野球全体の人気が落ちているわけではないということを証明できた」と話した。
というコメントの持つ意味は重い。

そして今回、テレ東での日本シリーズ第2戦の中継が決まった。
http://www.tv-tokyo.co.jp/sports/baseball2005/
テレ東が日本シリーズ2試合中継へ
テレビ大阪、笑い止まらん…2、7戦中継権獲得
第2戦ならば、確実に中継は実現する。もうミソッかす扱いではない。


他局でプロ野球中継が安易に「お荷物コンテンツ」扱いを受けて危うい今、
テレビ東京にとっては絶好のビジネスチャンスである。頑張って欲しい。
巨人戦だけがプロ野球ではないのだ。