2017年9月16日rhythm salad vol.17「マイテーマ特集」無事終了しました。

新宿BAR GARDENのイベント、無事終了しました。
今回はDJそれぞれがテーマを決めて選曲しました。
「夏休みの自由研究の発表だ」と言った人がいますが、言い得て妙です。


私のテーマは「オリジナル盤」でした。
オリジナル盤とは、「発表当初にアーティストの本国で売られた盤」です。
物理的にオリジナルマスターテープに一番近く、音質、デザイン共に本人の意向が最も反映された盤として珍重されてきました。
これに更に、プレスされた順番を示すマトリクス番号を追求し、その数が若ければ若い程音がいい、という認識も生まれ、
番号1つ違うだけで何千円何万円違ってくる、なんていう恐ろしい世界もありますが、
私にはそこまで踏み入る根気も経済力もありませんので、とりあえず好きな盤の「発売当初の盤」を手に入る範囲で集めてみました。
各曲解説の最後に入手した値段を記しました。高いと思うか安いと思うかは貴方次第。
以下、曲目リストと解説です。


01.Sly & The FamilyStone   In Time     (USオリジナル盤)
02.Mountain         Taunta (Sammy's Tune)〜Nantucket Sleighride (To Owen Coffin) (USオリジナル盤)
03.Gorky's Zygotic Mynci   Miss Trudy (UKオリジナル盤)
04.Tim Buckley        Happy Time (USオリジナルプロモ盤)
05.The Fifth Avenue Band   One Way or the Other (USオリジナル盤)
06.Curtis Mayfield       Billy Jack (USオリジナル盤)
07.Buffalo Springfield      Rock'n'Roll Woman (USオリジナルモノラルシングル盤)
08.Brian Wilson        Melt Away (USオリジナルシングル盤)
09.The Rolling Stones     2000 Light Years from Home (UKオリジナルモノラル盤マトリクス1)
10.The High Llamas      Checking In, Checking Out (USオリジナル盤)


BtoB
11.A.E.Bizottsag      Milarepaverzio (東欧ビート)
12.A.E.Bizottsag      Preparababrakabare (東欧ビート)
13.南ピル子         メイドさんブギー (同人音楽)
14.大洋ホエールズ選手・三鷹淳とチャッピーズ  行くぞ大洋 (オリジナル盤)



01はスライ&ザ・ファミリーストーンの'73年のアルバム「フレッシュ」の1曲目。
素晴らしいリズムの切れ味、ファンクの古典というに相応しい。2880円。

02はマウンテンの名作「ナンタケット・スレイライド」のタイトル曲。
静と動の構成が素晴らしい、抑制の効いたハードロック。
アルバム中で「ナンタケット・スレイライド」の序曲として配されている「タウンタ」は必須。
ベスト盤でも連続して選曲されているこの2曲は一続きとして捉えたい。
アルバムに本来添付されているブックレット群がなかった為に安く、360円。


03は'90sウェールズのバンド、ゴーキーズ・ザイコティック・マンキの代表曲。
ウェールズ語で歌い、「マジックマッシュルームを食べたビーチボーイズ
と言われるトチ狂ったポップセンスが素晴らしかった。来日公演も見た。1317円。

04はアメリカのアシッド・フォーク、ティム・バックレー「ブルー・アフタヌーン」より1曲目。
USプロモ盤なんて本来私の手の出せる値段ではないが、半額セール対象で運良く入手。2400円。

05はフィフス・アヴェニュー・バンド唯一のアルバムより。
山下達郎シュガーベイブを結成した時にお手本とした事で知られる。2870円。

06はカーティス・メイフィールド稀代の名作「ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ」の1曲目。
山下達郎のフェイバリットとしても有名。
私が黒人音楽を聴き始めるきっかけになるアルバムだったので無理して入手。4217円。

07はバッファロー・スプリングフィールドのオリジナルシングル盤より。これはモノミックスで、
イントロでベースが入るタイミング、間奏前で入る掛け声、最後のギターのキメなど、普通出回っているステレオとは明確に異なる。
1944円だが、同じミックスを収録したアルバム「バッファロー・スプリングフィールド・アゲイン」のモノ盤は万単位の値段なので、
このミックスを聞く為にこの値段は安かったと言えるかも知れない。

08はブライアン・ウィルソン1stソロアルバムからのシングルカット。309円。

09はローリングストーンズの問題作「サタニック・マジェスティーズ」のモノ盤より「2000光年の彼方へ」。
このモノ盤マトリクス1はド迫力の「ラウドカット盤」として知られ、下手すれば万単位の値段が付いている。
News (No.766の項参照)
THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST
アルバムは大好きだが、この盤の入手はほぼ諦めていた。
ところが去年10月、高いので有名な某新宿ロックレコード店の新着コーナーを見ていたら、
このUKモノ盤が「マトリクス1 盤質C 要検盤」で出ていた。値段は驚きの2870円。相場の1/3以下。
検盤すると、全体の擦り傷は多いが溝そのものへのダメージはなさそう。ジャケはへたれていて、インナーはズタズタ。
紙ジャケでも再現出来なかった3Dジャケが手に入ればいいや、と思って購入。家に帰って確かめると、
本当にマトリクス1で、充分良好に再生可能だった。これはオリジナル盤集めの中でも、非常にお買い得だった1枚。
(これは残念ながら通常のステレオミックス)
10はハイ・ラマスの永遠の名盤「ギデオン・ゲイ」より「チェッキング・イン・チェッキング・アウト」。
正確に言えばこれはCDが出た後に出たアナログ盤なので、オリジナル盤とは言えないかも知れない。今回の盤では一番高価で稀少。5299円。


BtoBでは、他DJのテーマに殴り込みをかけました。
11、12は大学時代のバンドでカバーした、私の思い出の東欧バンドを。
詳しくはこちら参照。


13は「同人音楽」。'90年代末のエロゲ音楽カンブリア爆発期に異彩を放った、メイドさんシリーズより。
最初は「メイドさんレゲエ」にしようかと思いましたが、長いので簡潔なこちらを。
しかし佐七さんとメイドさんシリーズで被るとは思わなかったな。

14はいつもの名曲を、遂に入手出来たオリジナル盤で流してイベント終了。

しかし、「行くぞ大洋」、今手元にある2枚以外に、
もう1枚別ジャケがある事が判明してしまった。また探さないと。
【渋谷VIN】 コロムビアレコード AK-55 『行くぞ大洋/勝利花』


台風迫る中来て下さって、誠に有難うございました。
次回、そろそろ「普通の」テーマでやってみようかな?