談話室滝沢 探訪

消える「滝沢」消えぬ“伝説”…「全寮制」ホントだった
かつて会社員時代、仕事で一度だけ行ったことがあった。
その頃はどういう場所かは把握しておらず、静かな事、「コーヒー1000円」だけが印象に残った。
その後、その特異な性格を知り、いつか又入ってみたいと思いつつ、
「コーヒー1000円」の敷居の高さに足が向かずにいた。


その滝沢が、この3月で全店閉店だという。
この期を逃してはならぬと、勇気をふるって行ってみた。


池袋某所地下。
階段を下りると、そこには異世界が広がっていた。
最初に出てくる紙おしぼりの時点で、滝沢ワールド。
すぐに破れそうな普通のそれとは違い、やたら肉厚。
非常に丁寧な接客の店員。

確かに、ドリンクは全て1000円。どんなメニューも一律1000円。
が、しかし。

ここの真骨頂はセットメニュー。プラス100円乃至200円で、
とても100円では注文できないようなものを付けられるのだ。

上げ底ではない、たっぷりとしたガラスコップに入った飲み物。
しっかりした焼き上がりのケーキ。そしてヨーグルト。
なるほど納得、の1300円。


普通の喫茶店でも、セットメニューで頼めば1000円近くなってしまう。
長居すれば、追加で注文をしなければならない。
その点、滝沢はこれでいくら長居しても大丈夫、
しかも午後1時までなら、ドリンクお代りOKなのだそうだ。
丁寧な接客。落ち着いた店内。
延々長居して原稿を書いたり、打ち合わせに使う人が多い訳だ。

会計の時に渡される「謝恩券」。
閉店前にもう一度、来ようと思った。


元従業員のインタビュー。
「談話室滝沢」のブログ記事一覧-☆日々の思考☆
本当に全寮制だったんだなあ。
「究極のメイドカフェ」という人がいるのも頷ける。


談話室滝沢が閉店する時代、
同じく昭和の色濃く残す新宿の「喫茶らんぶる」なども、今後厳しいのかも知れない。
今は亡き大井武蔵野館のキャッチフレーズではないが、
「いつまでもあると思うな」ということは、肝に銘じておこう。
デイリーポータルZ:ほどよく静かな喫茶店をもとめて。