スペースカインズ ライブ

劇伴セッションの参考になればと思い、
スペースカインズライブ7を見にいく。
非常に参考になった。


カインズは元々、水木一郎ヴォーカルスクールの人々が始めたバンド。
なので、コーラスはお手の物。ドラマーまで、ヘッドセットを付けて歌う。
歌の厚みは申し分ない。
そして、編成の特徴になっているのが、キーボードが2人いること。
それぞれ様々な音色を駆使し、キーボードのみならず上物(ブラス、ストリングス等)の音を再現している。
1人では、両手で別なキーボードを鳴らしても2音色しか出せないが、
2人なら4音色までカバーできる。上物の比重が大きい映像音楽の再現において、これは大きなメリットだ。


ギターも2人いるが、2人同時にギターを弾く場面は少ない。
大体どちらかが、ドラムパッドを叩いたりパーカッションを鳴らしたりして、
小物の音を再現している。口琴やビブラスラップも使っていた。


一番感じたのは、アレンジが非常に整理されていると言うこと。
劇伴には、入り組んだブラスフレーズや、細かいパーカッションパターンがよくあるが、
6人で手分けして、前述の通り曲によって様々な楽器を駆使し、
過不足無く聴かせられるアレンジになっている。
(キーボードの貴日さんが、全部譜面を書いてアレンジしているそうだ)
今のところ劇伴セッションでは、それぞれが担当楽器をコピーしてくるだけで、
全体のアンサンブルは実際に音を出してみて、となっているが、
映像音楽(特に劇伴)をやるなら、やはり明確な音楽監督を置いた方が効果的なのだろう。


ただ、そういったアバウトさは、音全体の勢い、ロックっぽさにも繋がっている。
現在の劇伴セッションは、曖昧な言い方だが「ロックバンド」っぽい音なのだ。
つまり個々の楽器演奏に、自己主張があると言うこと。
そしてそれは、カインズの音には欠けている部分でもある。
バンドそれぞれの持ち味という事まで考えると、統一された意思というのは一長一短なのかも知れない。
どちらがいい、と言うことではなく、音の特徴として。


いずれにせよ、もう少しきめ細かいアレンジは必要だな、劇伴セッションにも。
でもメンバーみんな忙しいので、なかなかに困難。
最近は集まって練習するのも一苦労なのが、辛いところである。