シネマバトンというのもあるそうだ その1

めるりんさんよりシネマバトン。


1993~98の6年間は、私にとっての映画イヤーズであった。


実家の町、高校に入って通った町、どちらにも映画館はなく、
映画全盛期に育ったはずの両親にも、映画に行く習慣もなく、
私は映画(館)とは縁がなく育った。
映画好きの方には怒られそうだが、
田舎者の私にとって映画とは「テレビで見る物」であった。


大学卒業後、音楽以外の趣味を広げようと色々試行錯誤する内、
はまったのが映画だった。
その6年間、レンタルビデオも含めると毎年100本近く見ていた。
それ以前が殆ど未開拓だっただけに、見る物見る物新鮮だった。
判型が小さかった頃の「映画秘宝」、特にvol.2「悪趣味邦画劇場」は、目に鱗ものだった。
賛否両論あるこの雑誌だが、全く無知だった当時の私にとってはいい道標になった。
古い邦画が好きになったのはこの雑誌の御陰だ。とても感謝している。


よく通った映画館は、下高井戸シネマ、そして今は亡き大井武蔵野館
下高井戸シネマは主にレイトショー、大井武蔵野館はキワモノ邦画の3本立てでお世話になった。


当時の手帳には、見た映画のタイトルが羅列してある。
特に1996年の夏なんて、仕事を辞めてブラブラしていたので、映画ばかり見ていた。
当時の手帳から。
1996年7月31日
朝出がけにビデオ「戦艦ポチョムキン
大井武蔵野館 若き日の田村正和3本立て
「男なら振りむくな」「裸の青春」「空いっぱいの涙」
BOX東中野「サード」(ATG)
8月6日
大井武蔵野館 東宝特撮特集
マタンゴ」「獣人雪男」「緯度0大作戦」
BOX東中野「もう頬づえはつかない」(桃井かおり)
8月08日
大井武蔵野館 三船プロの映画特集
「奇岩城の冒険」「大盗賊」
ビデオ「プ」「エスパイ」(藤岡弘、草刈正雄由美かおる)
10月22日
ビデオ「暴力教室」(松田優作舘ひろし)
「御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判」(勝新緑魔子)
1997年1月2日
ビデオ「不良番長 出たとこ勝負」(梅宮辰夫)
3月4日
ビデオ「ビートルジュース」「天使のたまご」(押井守)
新世紀エヴァンゲリオン」第13~20話


わざわざ大井町くんだりまで行って3本立てを見て、
家に帰って又ビデオ2本見ていたりする。まだ20代半ばだったから出来た事だろう。
(今ではとても体力が持たない)
後半3年間は、仕事を辞めてお金がないので、主にレンタルビデオ
近所3軒のレンタル屋の会員証を持ち、1日2本は見ないと間に合わない程借りてきたり、
とにかくやたら見ていた時期だった。


その後、短期間に大量に見てしまった為か疲れてしまい、
1998年夏のpowerbookG3/233/13購入と共に、興味がMacとネットへと転換していく。
ここ数年は、年に数本しか見ていない。
私の映画知識は、映画に耽溺していたあの6年間分だけである。その前後は無に等しい。
その当時でも、リアルタイムの封切り物は余り見ていなかった。
名画座ばかり。
かなり偏りがあることは否めない。


長くなったので次回へ続く。