The High Llamas来日公演を見に行く

渋谷O-Westで行われた、The High Llamas来日公演を見に行った。
The High Llamasのライブは、1998年10月30日に渋谷ClubQuattroで見て以来、約10年ぶりである。

演奏メンバーは、
ギター2人、ベース、ヴィブラフォン&パーカッション、キーボード、ドラムスの6人。
ギター2人は、
・12弦アコースティックギター
・5弦バンジョー
・6弦ガットギター
・6弦エレキギター(テレキャスタータイプ)
を曲によって頻繁に持ち替えていた。
エフェクターはそれほど深くかけないが、ワウを所々で効果的に使用していた。
ほぼレコード通りのアレンジを6人で丹念に再現していく。
元々そんなに爆発的な演奏を期待できる音楽性ではないし、
あの独特の音像を生で聴けるだけでも十分だ。


The High Llamasを最初に聴いたのは、1stアルバム「Gideon Gaye」。
95年頃だっただろうか、音楽友達のyopy氏から薦められた。
Van Dyke Parks「Song Cycle」のジャケと同じ字体が使われたジャケット。
「Smile」を彷彿とさせる独特の音像。
中期ビーチボーイズ好きにはど真ん中であった。
それ以来フェイバリットなのだが、最近2作は聴いていなかった。


唐突に思い立って、チケットを購入したのが今週の水曜日、つまり公演2日前。
その時点で整理番号130番。
チケット売れてないのか?客入らないのか?と危惧した。
たしかに開場時にはまだまばらだったが徐々に増え、
The High Llamas登場時には満員状態となった。
我々は早めに到着したので、真ん中3列目辺りといい位置を取れたのだが、
なにせオールスタンディング。
開場時間から、前座2組合わせて4時間半余り立ちっぱなしはさすがにくたびれた。
30歳半ばを過ぎてオールスタンディングは辛い。
風邪治りかけだった配偶者はふらふらしていた。
ClubQuattroの椅子席でのんびり見られた98年の時は、
恵まれていたと今更ながらに実感した。
音楽性から言っても、The High Llamasは椅子に座って、じっくり聴きたいと思った。


人気曲「Track Goes By」では、後半の長い長い繰り返しの部分で
アコーディオンとフルート奏者を招き入れ、
即興演奏が繰り広げられた。
そして、最初のアンコールでは「Checking in,Checking out」が演奏された。
「Gideon Gaye」からシングルカットされた楽曲。
実は、先に行われた京都公演でこの曲が演奏されたと聞いて、行く気になったのだ。
多分彼らの曲の中でも、唯一、アップテンポでシングル向きの曲。
それを98年来日時には演奏しなかったのである。
(いかに地味なライブだったか判るだろう)
この曲を10年越しで、遂に生で聴くことが出来て実に満足であった。


前回見た1998年から10年経った。
あれから様々なことがあった。
(まさか「Smile」が完成して店頭に並ぶとは、10年前には思いもよらなかった)
彼らには彼らの10年、私には私の10年が積み重ねられて。
感慨深い夜であった。