「俺、デーモンになっちゃった」

昨今ここまで叩かれている作品も珍しい「デビルマン」、
語るにしても見てからと、平日最終上映に滑り込んだ。


何ともちぐはぐ、というのが大雑把な感想。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、
「何でその台詞を、不動明でなくてミーコが言うの?」
「その声、叫びなのかうめきなのかはっきりせい」
シレーヌはどこから来て何処へ行ったのだ?」
などなど、疑問は募る。
話の整合性は殆ど気にしない私ですら、この状態。
気にする人にとっては、たまらないだろう。


演技経験ゼロの主役2人、台詞が棒読みなのは仕方がないとして、
それを演出で補う意図が殆ど感じられないのは何故だろう?
ストレートに台詞を言うだけではサマにならない程度の技量なら、
見せ方で何とかするものではないのか?
しかも直接対決という、作中のクライマックスだ。これはつらい。


原作を読んだのは中学の頃、しかも立ち読み。
20年くらい経っているので、当然殆ど忘れている。
それでも印象深い箇所は覚えているものだ。
ラストシーンなんて最たる物なのだが、一応再現しながら、
何でその後にあの2人のシーンを付け足したのだろう?
もしかして、監督としてはあの2人がメインキャラだったのか?
(アダムとイブのつもりか?)
実写版「めぞん一刻」での田中邦衛萬田久子の役どころだったのかあ?


ま、色々語ってしまうというのは、それだけ観客に「働きかける」要素が多かったと言うことでもある。
なーんにも語られないのよりはましかもしれないが、それにしても、
原作が神格化されているだけに、もう少し何とかならなかったのか?


平日最終回、観客5人。おたくっぽい人ばかり。
多分、全員「これだけ悪評ばかりなら見てみるか」の人。


それから、どうせグッズを売るのなら、
「黄色地・胸に赤いA」Tシャツを売るべきだろう。
せっかく作中でも着ていたのだし。