3/8 斉藤由貴live at 渋谷PARCO劇場
曲目
1.少女時代
(MC)
2.MAY
3.AXIA~かなしいことり
4.土曜日のタマネギ
(MC)
5.ブルー・サブマリン
6.街角のスナップ
7.MOON WALTZ~月の輪舞~
8.The April Fools (Japanese Ver.)
(MC)
9.悲しみよこんにちは(21th Century ver.)
(MC)
10.予感
(MC)
11.夢の中へ(21th Century ver.)
12.卒業
(MC)
13.意味
(アンコール)
14.初戀
15.家族の食卓
運良く最前列、至近距離5m程のところで見ることが出来た。
20年余りの年月が無駄になっていない、そう思える素晴らしいライブだった。
本編のラストが「意味」、アンコールラストが「家族の食卓」という部分に、
2008年にこのライブをやる意義を感じた。
「家族の食卓」が収録された「風夢」がリリースされたのが1987年。
それを、20年経って、ただのノスタルジィではなく、
これほどまでに現在に意味のある曲として歌えたのは、年月を重ねた今だからこそ。
全体的に言えるのは、初期のアイドル時代の曲よりも、後期に近い曲の方が、
安定して歌唱出来ていたこと。
特に、「意味」なんて相当難しいメロディなのに、ほぼ完璧に歌えていた。
より「自分に近い」ということなのだろうか。
又、純粋な「歌もの」より、物語的な展開のある、例えば「土曜日のタマネギ」や「MOON WALTZ」の方が、
より生き生きしていた。
この辺は女優としての経験が生きているのだろう。
演奏の編成はアコースティックピアノ、アコースティックギター、チェロ、ヴァイオリン、コーラス&パーカッションの5人。
何曲かでピアノの上杉氏がシーケンサーを動かしていたが、リズムとその他少数の音だけの簡素なもの。
全体的に低域で動くチェロが非常に効いていたし、
「土曜日のタマネギ」や「MOON WALTZ」ではパーカッションが効果的だった。
シンプルな編成で、彼女の歌を見事に支えていた。
CD-BOXのブックレットで「三柴理しか弾けない」と言われていた「意味」のピアノを、
上杉氏が弾き切ったのには驚いた。
「卒業」では、レコーディング当時にプロモ用に録られていた歌唱映像がスクリーンに登場。
完全に歌とシンクロして進行、それを目にした斉藤さんが絶句して涙ぐむシーンもあった。
20年経っても、斉藤さんの声がそれほど昔と変わっていないのが驚異。
経た年月を糧にして、女優としての経験も加わって、
表現力というのは、歌唱力とはイコールではないというのを思い知らされた夜だった。
素晴らしいライブを聴かせてくれた斉藤由貴さんに、感謝。