本人歌唱主題歌スペシャル

昨日近所の古本屋で、このCDを見つけた。

安かったので即購入。


'80年代女性アイドル好きにはたまらない内容である。
1曲目以外はCX系ドラマなのは、ポニーキャニオン発売である関係上仕方あるまい。
半分近くがスケバン刑事関連楽曲というのも壮観だが、
それだけヒットしたという事だろう。
私自身はそれ程アイドルにのめり込んでいた訳ではなく、
当時は空気みたいな物で、何となく耳にしていた程度。
それでも音色やアレンジが懐かしく感じるのは、やはり'80年代に10代を過ごした性か。


改めて聞くと、色々発見がある。
「風のマドリガル」は「さらばシベリア鉄道」に似ているなあ、やら、
吉沢秋絵の歌の下手さは凄まじいものがあるなあ、やら。
だが、'80年代アイドルにとって、歌唱力のなさはちっともマイナス点ではない。
逆にそこがいい、拙いながらも一所懸命歌うのがいいのだ、という人は多かったはずだ。


この中に原田知世が混じるのは少し違和感がある。
主戦場が映画だったというのがその一番の理由だろう。
彼女に限らず、角川系女優はいわゆる「アイドル」とは少々距離のある存在、
「アイドル」とは、主にテレビに出ている人たちだ、
というのが、一般的認識だった筈だ。
それでも、彼女も出発点はここだった。
ここに収められているデビュー曲「悲しいくらいほんとの話」、私はシングル盤で持っているのだが、
'90年代半ば頃、大学の後輩Tと一緒にこのジャケットを見て、
「うーん、まだ原石を掘り出した直後みたいだ。この頃は薬師丸の廉価版にしか見えないなあ」
「番組も『セーラー服と機関銃』のTV版、完全に二番煎じですねえ」
「何となく写真自体も安っぽいしなあ、余り予算かかってなさそう」
「番組ロゴもちょっと。この安っぽさはひどい」
「それが、まさか後々、薬師丸と立場逆転するとはなあ…」
という会話を交わした記憶がある。
原田知世の地位向上に、とりみきゆうきまさみ河森正治達が果たした役割は、
如何ばかりだったのだろうか?
その原田知世、最近結婚したと聞いた。時は流れる。


個人的には、あすか組「悲しげだね」がなかなか収穫であった。名曲である。