The Band熱再発

今更だが、この所ザ・バンド熱が再発している。
何故だかよく判らない。身体がザ・バンドの音を欲している、としか言いようがない。
自分のバンドでも、ザ・バンドを意識した曲を作り、
ロビー・ロバートソンのギターを真似して、
クリーントーンピッキングハーモニクスを鳴らしている。
(下手くそなのは御愛敬とでも思って勘弁して下さい)


最初に「Music from Big Pink」を聞いたのは高校生の時。今から20年近く前。
はっきり言って、つかみ所がなかった。
白人の音楽を主に聴いていて、
ビーチ・ボーイズバッファロー・スプリングフィールドがフェイバリットだった当時の私には、
いささか地味過ぎたのかも知れない。


大学1年の時に、突然ストーンズの良さが「判る」ようになった。
(それまでは全部同じ曲にしか聞こえなかった)
それをきっかけに、黒人音楽も受容出来るようになった。


そして大学を出て1年目、突然「Music from Big Pink」は超名盤に変貌した。
勿論、一般に名盤としての評価は既に揺るぎないものになっているのだが、
私の中でいきなり大ブレイクが起こったのだった。
22歳になってやっと、この名盤を聴ける耳が出来た、追い付いたということだろうか。

Music From Big Pink (Remaster) (紙ジャケ)

Music From Big Pink (Remaster) (紙ジャケ)

この紙ジャケ再発盤は、去年出たものである。
音源は2000年に出たプラケースのリマスター盤と同じものを使っている。
このリマスターされた音質の評価が大変よい事は聞いていた。
気にはなっていたが、既に全アルバムを旧規格盤(Past Mastersシリーズ)で揃えていたので、
わざわざダブる盤を買う余裕がなかった。


今回の熱病再発で、意を決してリマスター盤を買ってみた。
聞いてみて、その音質に驚愕。評判は確かだった。
本当に、非常に素晴らしい音になっているのだ。
クリアーで、丸くて、重みがあって。
1曲目の最初に入ってくるドラムフィルの、何と生々しいことか。
改めて、「Music from Big Pink」に惚れ直してしまった。
1stと並ぶ大名盤2nd「The Band」のリマスターも素晴らしい仕上がり。

The Band (Remaster) (紙ジャケ)

The Band (Remaster) (紙ジャケ)

特に初期2枚は、今までの盤がモコモコした音だったので、
はっきりリマスターされた効果が出ている。

取りあえず1stと2nd、「南十字星」は押さえた。
他のアルバムも、どうせなら紙ジャケで揃えよう。
今月出るBOXセットも予約してしまった。
しばらくザ・バンド貧乏だ。
(しかし東芝は、紙ジャケCDをもう少し安くして貰えないものか)


ザ・バンドが好きで、もし未だにこのリマスター・シリーズを聞いていない人がいたら、
(殆どいないと思うが)
大変に勿体ない、と思う。
実際、お金を惜しんだ私は5年も損をしてしまった。
必聴である。